特養ケアマネのブログ
特養で働くケアマネが、介護のお金と制度を正直に伝えます
同じ要介護度・同じ部屋でも、住民税・収入・預金しだいで月の支払いが大きく変わります。
申請しないと、自動では安くなりません。
下のチェックカードを、1枚ずつ「自分の家はどれかな?」と当てはめていくだけです。
難しい計算は要りません。預金通帳と、年金などの収入がわかるもの(年金の振込通知書のほか、給与・家賃収入・配当などがある方はその書類も)を手元に置いて、3分だけ読んでみてください。
1つでも当てはまったら、まずは市区町村の介護保険窓口に電話するところから始めましょう。
特養の費用のうち、毎月いちばん大きい食費と部屋代を一気に下げる制度です。
「住民税」「収入」「預金」の3つすべてを満たす必要があります。順番にチェックしてみてください。
世帯全員(同居家族すべて)が、住民税非課税ですか?
住民税を払っている家族が世帯にいると、この制度は原則として対象外になります(CHECK 4の世帯分離で道が開ける場合も)。
チェック①が「はい」なら、次は本人の収入と預金の組み合わせで段階が決まります。
| 段階 | 本人の収入 (年金等の合計) |
預金(本人) | 預金(夫婦) |
|---|---|---|---|
| 第2段階 | 年 80.9万円以下 | 650万円以下 | 1,650万円以下 |
| 第3段階① | 年 80.9万円超〜120万円 | 550万円以下 | 1,550万円以下 |
| 第3段階② | 年 120万円超 | 500万円以下 | 1,500万円以下 |
表の見方:「本人の収入」と「預金」の両方を満たす段階に当てはまれば、その段階の対象です。
たとえば「本人の年金が年100万円・夫婦の預金が1,400万円」なら、第3段階①に該当します。
1か月に支払った介護サービスの自己負担額が一定額を超えると、超えた分が後から戻ってくる制度です。
こちらは預金は関係なし。住民税の課税状況と所得だけで判定します。
| 区分 | 月の上限額 (世帯ごと) |
|---|---|
| 生活保護等 | 15,000円(個人) |
| 住民税非課税で 本人の年金等が年80万円以下 |
24,600円(世帯) 個人なら15,000円 |
| 住民税非課税 (その他) |
24,600円(世帯) |
| 住民税課税世帯 (一般) |
44,400円(世帯) |
| 課税所得 380万円〜690万円未満 |
93,000円(世帯) |
| 課税所得 690万円以上 |
140,100円(世帯) |
1年間の医療費+介護費の自己負担を合算して、上限を超えた分が戻ってくる制度です。
「医療費だけ」「介護費だけ」では対象外でも、合算するとはじめて対象になるケースがあります。
| 区分(70歳以上の世帯) | 1年の上限額 |
|---|---|
| 後期高齢者で 住民税非課税 |
31万円 |
| 年収約370〜770万円 | 67万円 |
| 年収約1,160万円以上 | 212万円 |
本人は年金だけなのに、同居している子や孫が住民税を払っているせいで、世帯全体が「住民税課税世帯」と扱われている――。
このとき世帯を分ける(世帯分離)と、本人を「住民税非課税世帯」にできて、CHECK 1〜2の対象になる可能性があります。
「もう入居して何年も経つから、今さら制度のこと言われても…」と思った方、あきらめないでください。
制度ごとに「どこまでさかのぼれるか」が決まっています。
「うちの母、何年も特養にいるけど、高額介護サービス費の申請をした記憶がない」――そんな方は、明日にでも市区町村の介護保険窓口に電話してください。
過去2年分が戻ってくるなら、それだけで数十万円〜になるケースもあります。
10年近く特養で働いてきて、私が一番もどかしいのは「申請していれば戻っていた人」がたくさんいることです。
「もっと早く知っていれば…」
「ケアマネさんが言ってくれていれば…」
「役所が自動でやってくれると思っていた」
制度は、申請しないと使えない仕組みになっています。役所は「あなたは対象ですよ」と教えに来てはくれません。
でも逆に言えば、知って動いた人だけが、年100万円戻ってきているのも事実です。
介護保険証を手元に用意して、
お住まいの市区町村の介護保険窓口へ。
電話で確認できるのは「あなたが対象になりそうか」と「必要書類は何か」までです。
実際に料金を下げる・お金を戻すには、そのあと申請書を提出する必要があります(窓口持参または郵送・市区町村による)。
でも、まずは電話1本から。電話するだけなら損はしません。知らないまま放置することが、いちばんの損です。