特養ケアマネのブログ
特養で働くケアマネが、介護のお金と制度を正直に伝えます
2026年5月時点の情報をもとに作成|特養ケアマネが解説
月の介護費が上限を超えた分は
後から戻ってきます
いちばん多い1割負担の方でも、申請しないと年5万円ほどを損していることがあります。負担割合が高い方ほど戻る額も大きくなります(ただし所得がとくに高いと上限も上がり、戻らない場合も)。
住民税非課税世帯なら月24,600円、課税世帯一般なら月44,400円が上限。
超えた分は申請すればあとから払い戻しされます。
「介護費が高くて毎月の支払いがしんどい…」とお感じのご家族へ。月の介護サービス費が一定額を超えたら、超えた分は後から戻ってきます。これが「高額介護サービス費」です。
多くのご家族が「制度の存在を知らない」「通知書が届いても放置」というだけで損しているのが現実。一度申請しておけば、以後は対象月に自動的に振り込まれる仕組みです。
下の表が、月の介護サービス費自己負担の上限額です。この上限を超えた分が戻ります。
| 所得区分 | 世帯の上限 (月額) |
個人の上限 (月額) |
|---|---|---|
| 課税所得690万円以上 (年収約1,160万円以上) |
140,100円 | — |
| 課税所得380〜690万円 (年収約770〜1,160万円) |
93,000円 | — |
| 課税所得145〜380万円 (年収約383〜770万円) |
44,400円 | — |
| 住民税課税世帯(一般) | 44,400円 | — |
| 世帯全員が住民税非課税 | 24,600円 | — |
| 合計所得+年金 年80.9万円以下等 | 24,600円 | 15,000円 |
| 生活保護受給者等 | — | 15,000円 |
※「世帯」は同じ世帯で介護保険サービスを使っている方全員の合計、「個人」は本人だけの自己負担分。低所得層は世帯と個人で別々に上限が設定されています。
📊 月額の介護サービス費と払い戻し
📊 月額の介護サービス費と払い戻し
📊 月額の介護サービス費と払い戻し
※ケース3は課税所得145〜380万円(上限44,400円)の場合の例です。同じ3割負担でも課税所得が380万円を超えると上限が93,000円に上がり、この例(介護費85,950円)では上限に届かず払い戻しは発生しません。負担割合も上限額も「所得」で決まるため、3割の方が必ず大きく戻るわけではない点にご注意ください。
いちばん多い1割負担の方でも
年 約5万円
申請しないと、この分をまるごと損している計算です。負担割合が高い方は戻る額も大きくなりますが、所得がとくに高いと上限も上がり戻らない場合もあります。
いずれにせよ、申請せず放置するのが一番もったいない制度です。
「負担限度額認定証」と混同されやすいですが、対象となる費用が違います。両方を同時に申請して同時に使えます。
負担限度額認定証
対象:食費・居住費
仕組み:上限を下げて、最初から少ない金額しか請求されない
使い方:施設に提示
高額介護サービス費
対象:介護サービス費
仕組み:いったん払って、上限を超えた分が後から戻る
使い方:申請で口座振込
対象になった月の数か月後(自治体により2〜4か月後)に「高額介護サービス費支給申請書」が郵送されます。これを放置すると申請しないまま終わりますので、届いたらすぐ手続きを。
本人または家族の口座を記入して返送します。介護保険被保険者証のコピーが必要な場合もあります。初回のみの手続きです。
登録した口座に、対象月があれば自動的に振り込まれます。毎月の申請は不要です。市区町村から「○月分支給します」という通知書が届きます。
同じ世帯で複数人が介護サービスを使っている場合、全員の自己負担を合算して上限と比較します。
例:高齢のご夫婦で、夫が要介護5・特養入居(介護費月28,650円)、妻が要介護2・デイサービス(月15,000円)の場合。
世帯合計:43,650円
住民税非課税世帯の上限:24,600円
払い戻し:19,050円/月(年間228,600円)
「片方だけでは上限以下だけど、夫婦合わせると超える」というケースは多いです。世帯合算は自動的に行われるので、特別な申告は不要です。
高額介護サービス費は、2割・3割負担の方ほど大きく戻る制度です。1割負担でも住民税非課税世帯なら年5万円程度の払い戻しになります。
多くの方が「制度を知らない」または「通知書が届いても放置」しているのが現実。一度の申請で以後は自動振込になるので、家族でひとつの仕事として済ませてしまいましょう。
市区町村の介護保険担当課に電話か窓口で確認できます。
過去2年分までは遡って申請できます。