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【知らないと数十万円損】高額医療・高額介護合算制度|医療費+介護費を1年で合算して払い戻し

2026年5月時点の情報をもとに作成|特養ケアマネが解説

医療費と介護費の1年合計が上限を超えたら

超過分が戻る

後期高齢者医療制度の住民税非課税世帯なら年31万円
年収370〜770万円層は年67万円が上限。
医療と介護の両方を使う世帯にこそ大きな救済になります。

この記事でわかること

特養に入居中の方やその家族から、こんな相談を受けます。

「介護費だけでなく、入退院も多くて医療費もかかる。両方足すとかなりの額…」
「高額療養費も高額介護サービス費も使ってるけど、年間トータルで見るとまだしんどい」

そんな世帯のための救済制度が「高額医療・高額介護合算療養費制度」です。1年間の医療費と介護費の自己負担を合算して、所得区分ごとの年間上限を超えた分が戻ってきます。

3つの制度の関係|「上限の3段階」を理解する

介護費・医療費を抑える制度は3段階で重なっています。

1

高額療養費(医療費の月上限)

医療費の月額自己負担に上限。超えた分は戻る/窓口で限度額認定証を出せば最初から上限内。

2

高額介護サービス費(介護費の月上限)

介護サービス費の月額自己負担に上限。超えた分は申請で戻る。

3

高額医療・高額介護合算制度(年間の上限)

上記2つで戻したあとの「医療費+介護費」の1年合計に、さらに上限を設定。超えた分が最終的に戻る。

つまり、月単位の救済(①②)を受けたあと、年単位でも救済(③)されるという二重三重のセーフティネットです。

対象期間|毎年8月1日〜翌年7月31日

この制度は1月〜12月(暦年)ではなく、8月1日〜翌年7月31日を1年として集計します。基準日は毎年7月31日。基準日に医療保険・介護保険に加入していて、その世帯で1年間に医療費・介護費の自己負担額があれば対象になります。

たとえば「2025年8月〜2026年7月」までの1年間の自己負担を合算し、2026年8月以降に申請するイメージです。

所得区分別の年間上限額

下の表が、世帯の年間自己負担の上限額です(医療+介護の合計)。この上限を超えた分が戻ります。

所得区分 70歳以上の方
(後期高齢者含む)
70歳未満
年収約1,160万円以上 212万円 212万円
年収約770〜1,160万円 141万円 141万円
年収約370〜770万円 67万円 67万円
一般(年収約156〜370万円) 56万円 60万円
市町村民税世帯非課税 31万円 34万円
市町村民税世帯非課税
(所得が一定以下)
19万円 34万円

※医療保険の種類(後期高齢者医療制度・国民健康保険・協会けんぽ・健保組合等)と所得区分の組み合わせで上限が決まります。介護保険・医療保険の両方の加入者がいる世帯のみ対象。

高額療養費と高額介護サービス費を月ごとに使ったあとでも、医療と介護の両方を使い続けるとそれだけで年間50万〜100万円の自己負担になることがあります。合算制度は「最後のセーフティネット」として知っておいてください。

戻る金額をシミュレーション

ケース1:後期高齢者・住民税非課税世帯(年金収入のみ)

📊 1年間の医療費+介護費(高額療養費・高額介護サービス費の払戻し後)

医療費の自己負担(年)96,000円
介護費の自己負担(年)295,200円
合計391,200円
年間上限310,000円
払い戻し額約 81,200円

ケース2:年収370〜770万円・3割負担の世帯

📊 1年間の医療費+介護費(高額療養費・高額介護サービス費の払戻し後)

医療費の自己負担(年)691,200円
介護費の自己負担(年)532,800円
合計1,224,000円
年間上限670,000円
払い戻し額約 554,000円

3割負担で医療と介護の両方を使う世帯では

年 50万円

の払い戻しが出ることもあります。
申請を忘れると、まるごと戻ってこない金額です。

申請方法|「介護→医療」の順で2か所に

合算制度は申請の流れが少し複雑です。順番に説明します。

1

介護保険担当課に申請(市区町村)

まずお住まいの市区町村の介護保険担当課に申請して、「介護自己負担額証明書」を発行してもらいます。1年間(前年8月〜当年7月)の介護費自己負担額が記載された証明書です。

2

医療保険者に申請

次に加入している医療保険に申請します。
・後期高齢者医療制度の方 → 都道府県の後期高齢者医療広域連合(窓口は市区町村役所)
・国民健康保険の方 → 市区町村の国保担当課
・協会けんぽの方 → 協会けんぽの支部
・健保組合の方 → 加入している健保組合
申請書と「介護自己負担額証明書」を提出します。

3

医療と介護それぞれから振り込まれる

合算で出た払い戻し額は、医療保険分と介護保険分に按分されて、それぞれの保険者から口座に振り込まれます。1か所からまとめて来るのではない点にご注意ください。

申請の時効は2年(基準日の翌日から)です。後期高齢者医療制度では対象になった方に申請のお知らせが届くことが多いですが、健保組合などからは通知が来ない場合があります。「医療と介護を両方使った1年があった」という心当たりがあれば、自分から問い合わせてください。

特養入居者の場合|何が対象で何が対象外?

対象になる費用

対象にならない費用

特養入居中の方が外部の病院に頻繁に通院・入院している場合は、合算制度の対象になる可能性が高いです。とくに重度の方は医療費もかさみやすいため、1年に1回は確認してみてください。

4制度の整理|全部使えば三重四重に守られる

制度 対象 仕組み
負担限度額認定証 食費・居住費 最初から上限額のみの請求
高額療養費 医療費 月単位で上限超過分を払戻し
高額介護サービス費 介護費 月単位で上限超過分を払戻し
合算制度(本記事) 医療費+介護費 年単位で上限超過分を払戻し

4つは別物で、それぞれ申請が必要です。全部使えば三重・四重のセーフティネットになります。

よくある質問

高額医療・高額介護合算制度はいつの分が対象になりますか?
毎年8月1日から翌年7月31日までの1年間が1単位です。この期間の医療費と介護費の自己負担額(高額療養費・高額介護サービス費の払戻し後の金額)を合算して、所得区分別の年間上限を超えた分が戻ります。
高額療養費・高額介護サービス費とどう違いますか?
高額療養費は医療費の月の上限、高額介護サービス費は介護費の月の上限を超えた分を戻す制度です。合算制度はその後さらに、医療と介護の両方の年間自己負担を合算して上限を超えた分を戻す『3段階目の救済』です。3制度はそれぞれ別物で、すべて適用されます。
申請方法はどうなりますか?
まず介護保険担当課(市区町村)に申請して「介護自己負担額証明書」を取得し、次に医療保険者(後期高齢者医療制度・国保・健保組合等)に申請書と証明書を提出します。後期高齢者医療制度の方は対象になると通知が来ることが多いですが、健保組合では自分で申請しないと戻らないケースが多いです。
申請の時効はありますか?
基準日(毎年7月31日)の翌日から2年です。2年以内に申請しないと、その期間分は戻らなくなります。健保組合などからは通知が来ない場合もあるので、医療と介護を両方使った1年があれば、自分から問い合わせるのが安心です。
特養に入居している場合、食費や居住費は対象になりますか?
いいえ、食費・居住費・日用品費は対象外です。介護保険サービス費の自己負担分のみが対象です。食費・居住費は別の制度(負担限度額認定証)で軽減できます。
医療か介護のどちらか片方だけしか使っていない年も対象ですか?
いいえ、医療と介護の両方の自己負担額がある場合のみ対象です。片方の負担しかない年は、月単位の高額療養費または高額介護サービス費で対応することになります。

まとめ:年に1回、自分から動いてください

合算制度は、「申請しないと最大の救済を見逃す」典型的な制度です。とくに健保組合や協会けんぽは、対象でも通知が来ないことが多くあります。

1年で50万円以上の払い戻しが出ることもあるため、医療と介護の両方を使った1年があったご家庭は、毎年8月以降に必ず一度確認してみてください。

まず市区町村の介護保険担当課に電話を
「高額医療・高額介護合算制度の申請をしたいです。
介護自己負担額証明書を発行してください」

そのあと医療保険者に申請するとスムーズです。
過去2年分まで遡って申請できます。

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